井上一徳沖縄防衛局長は9日、沖縄市役所に桑江朝千夫市長を訪ね、浦添市の米軍牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の倉庫群移設問題について、沖縄市の嘉手納弾薬庫知花地区への移設受け入れを要請した。桑江市長は「返還地と同様に沖縄市も発展しないといけない。市が望む発展に協力してもらいたい」と述べ、経済振興策など課題解決への協力を条件に受け入れる考えを示した。
沖縄市は国に対して、多目的アリーナ建設などの経済振興策のほか、基地から派生する交通渋滞やごみ問題、周辺河川の整備など課題解決を提示している。国と市は今後、基地受け入れに向けて調整作業を本格化させる。
井上局長は「沖縄全体の基地負担軽減のため補給地区の返還を一日も早く実現したい。知花地区への移設作業を早く進めたい」と理解を求め、市の要望に「しっかり検討して対応する」と積極姿勢を示した。
桑江市長は要請後、記者団に対して「(牧港の)現地を視察して軍事的な基地機能の強化は感じていない」と述べ、移設計画に理解を示した。
嘉手納より南の米軍施設・区域の返還統合計画の一環で知花地区には、牧港補給地区の倉庫群や車両整備場など14施設(整備規模約40ヘクタール)が移設する予定。
知花地区の黙認耕作地が立ち退きを迫られるなど、基地機能強化との指摘もある。
H27.10.10(琉球新報)掲載より